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日本災害看護学会第22回年次大会

大会長挨拶

一般社団法人 日本災害看護学会 第22回年次大会
大会長 渡邊智恵(日本赤十字広島看護大学)

 2020年9月5日(土)6日(日)、平和都市“広島”で、日本災害看護学会第22回年次大会を開催いたします。平和記念公園の敷地内に位置している広島国際会議場は、近くには原爆ドームがあり、リニューアルされた原爆資料館に隣接しています。東京オリンピックが開催される同じ年に、平和を祈りながら、第22回年次大会を開催できることに大きな意味を感じています。
 これまでに、広島は多くの災害を体験してきました。1945年8月6日の原爆投下により、当時の広島市の人口35万人のうち9万~16万人が被爆から2~4か月以内に死亡しました。原爆投下後の広島は、これから数十年間は草木も生えないとされましたが、復興の道を歩み続け、2020年は75周年を迎えます。自然災害としては、これまでに台風による大きな被害を受け、世界遺産である厳島神社(宮島)は浸水をしましたし、土砂災害の被害を何度も受けています。皆様の記憶にあるのは6.29災害(1999年)、広島土砂災害(2014年)、西日本豪雨災害(2018年)で、地震災害としては芸予地震(2001年)があります。さまざまな災害を体験し、何度もそこから再生してきた広島ですが、それは国内外を含めた多くの皆様からのご支援の賜であり、多くのサポートをいただきましたことに感謝を致します。
 今回のテーマは、「災害へのしなやかな対応―備え・寄り添い・つなぐ―」としました。「しなやか」に込めた意味は、被災してさまざまな影響を受けても、柳の枝のように決して折れることなく、立ち直る回復力、レジリエンスがあるということです。それには、まず、①災害からの被害を極力少なくするために、備えをする力「備え」が必要となります。次に、②復旧や復興をいかに迅速に行うという回復力を支えるための「寄り添う」と「つなぐ」ということが重要と考えました。つなぐには、多職種や他組織と「つなぐ」という意味と、次世代に教訓や災害看護の知見を「つなぐ」ということが必要と考えました。
 災害発生を防ぐことはできなくても、災害からの被害を少しでも軽減し、かつ早期に復興へと歩むことができないものかということに関心を寄せ、災害看護教育・実践・研究活動に携わってきました。災害に対してどう備えていくことが重要なのか、被災後の傷ついた被災地や被災者に対してどうやって寄り添っていくことが必要なのか、さらに被災地の中で活動する他の専門職とどのように連携してつなぐのか、また災害からの教訓をどのように次世代につなぐことができるのかを皆様と検討していきたいと思います。
 中国地方を制覇した“毛利元就”は、国人領主から戦国大名と駆け上がり、家族や地域を大切にした知将であり、数多くの逸話が残されています。今回のサブテーマとしている3つのキーワード「備え、寄り添い、つなぐ」は兄弟の結束を説いたという有名な「三矢の訓」にちなんでいます。「備え、寄り添い、つなぐ」は「しなやかな対応」そのものだと考えております。そのキーワードに沿って、様々な学問分野の専門家からの知見を融合させ皆様と活発な議論を行い、災害看護の発展に向けてともに歩みを進めていきたいと思います。
 多くの皆様に広島に来ていただき、第22回年次大会の中で「災害へのしなやかな対応」について検討していくことができることを願っております。

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